成人看護学実習での経験

外科外来主任 秋山奈保子

脳外科病棟での成人看護学実習で、ある患者さんを担当していた学生さんのお話です。

患者さんは片側の半身麻痺があり、うまく食事が摂取できません。看護師のちょっとしたアドバイスで、学生さん自身が工夫し、食器が滑らないマットの活用や食事内容が見やすいようにお盆に傾斜を持たせる工夫をし、「食事摂取がスムースになった」と患者さんにとても喜んでいただきました。

さらに、その患者さんは退院の時、担当の学生さんが実習日でなかったため、会えませんでした。「どうしてもお礼が言いたい」と学校宛に手紙を送りたいと言われ、学校に相談し手紙を送れるようにしました。実習期間は長くて2?3週間で、患者さんに接する時間は限られています。患者さんの信頼を得るには、2週間必要といわれている中、誠心誠意かかわった成果が表れた事例でした。これから先、看護師を目指す学生さんにとって素晴らしい経験の一つになったとおもいます。また、日々の看護で忘れてはならない「患者様に寄り添った看護」をおこなった学生さんに、私たちも負けていられないと感銘をうけました。

現在は外来部門で働いており、外来実習にも多くの学生さんが来られます。1日?4日程度の短期の実習ですが、病棟とは違う外来看護を学んでほしいと思っています。三豊総合病院は多くの診療科と施設があり地域に密着した病院です。実習に来る多くの学生さんに関わるとともに、私たちも初心を忘れない気持ちで患者さんに接していきたいと思います。