子育てをしながら、退院調整・支援という新たなる分野で奮闘中

岡田理恵
私は、一昨年の5月に育休明けで短時間勤務で仕事に復帰し、昨年の10月からフルタイムになりました。一人目の子どもの時は時短を使わずに復帰しましたが、小さい子どもが二人になるとさすがにフルタイムで働くのは今のところ難しいですね。子どもの送り迎え、家事の役割分担なども増えますし、義理の親の助けを受けながら、今は働いています。そういう状況で働くことは誰しも慣れるまでは大変だと思いますが、この病院では、そういう事情を抱えていても看護師として働くことができますし、職場の皆さんの理解もあるので有難いと思っています。復帰した私はこれまで慣れ親しんだ病棟勤務ではなく、退院調整看護師として新たなる分野で仕事をしています。病棟に勤務していた時は、直接患者さんと接する時間が多く、病状の変化を観て、病院生活を日々考えながらケアしていくというものでしたが、退院調整看護師になってからは、もちろん患者さんのケアを意識しながら仕事はするのですが、退院後の生活を念頭に検討することが主な仕事になっています。患者さんのみならず、患者さんの家族からの情報も踏まえて、患者さん個々に最適な提案をしていかなければならないので、大切な仕事と認識しながらも、難しい仕事だなと日々奮闘しています。

患者さんのニーズを把握し、適切な指導をし、多職種との連携で喜んでもらいたい

当院看護部の理念にある「その人らしく生きること」を実現するために、いろいろとチャレンジしてはいますが、様々なケーススタディを整理し、「こういう時は、こうすればよい」といった理論的なものを見つけるまでには至っていません。早く、そういうものを見つけていきたいとは思っています。そんな中でも、普段から意識しているのは、患者さんやご家族の顔を見てお話しするということです。病棟の担当看護師に「患者さんに伝えておいてください」とお願いするのは簡単なんですが、患者さんやご家族に安心してもらいたいという気持ちを大切にしたいと思っています。ある患者さんの話ですが、長い期間入院されていましたが、帰宅されるまでの準備などを奥様と相談し、焦らず寄り添いながら準備をすすめていきました。その患者さんの自宅に伺いましたら、病院での表情とまるで違い、忙しい中でもしっかり生活でき、栄養チューブも取れて食べることができるようになってらっしゃいました。患者さんがより良くなるための環境を考える上で、こういう話を、病棟の看護師たちに話をしたり、時に指導したりして共有し、患者さんのニーズを把握するためにしっかり相談を受け、適切な指導をし、多職種との連携を図り、喜んでもらうことが私の役割だと認識しています。

看護師人生の節目節目で想いが増していく患者さんやご家族との関わりの大切さ

看護師の仕事の魅力は、患者さんやご家族がどうしていきたいのかをしっかり耳を傾けて聴き、どうしていくのかを提案し、結果として今よりもよくなってもらえるように寄り添っていくことだと思います。20年の看護師生活で、言葉は同じでも、節目節目で患者さんやご家族との関わりの大切さに対する想いは増してきています。仕事時間でないのに、プライベートな時間なのに、うまく割り切ることは難しく、ふと患者さんのことが気になり、考えてしまいます。もしかして、そんな時に、看護師の仕事が好きなのかなあと思うこともあります。今、退院支援の仕事をしているので、「聴く」ということがとにかく多いです。患者さんやご家族は面談の時は、構えて来られることがほとんどです。緊張感を和らげるために、優しい挨拶から始め、ねぎらいを忘れずに、できるだけ話しやすいような環境を作るように心掛けています。話しやすい話題として自宅での生活の話を聞き、否定せずに、正しい情報をできるだけ聞き出すようにしています。希望に添えるようにということを第一に考えていますが、提供できることは何かをあいまいにせずに正確に提案し、勇気づけることを忘れないようにしています。今後の自分については、まだそんなに具体的には考えていませんが、今は、今の部署で退院調整や支援がしっかりできるように頑張っていきたいと思っています。