新たな一歩を踏み出したくて

month-nurse59看護師 大西まゆみ
看護師になって13年間、私は別の病院で勤務していました。結婚・出産・子育てを経験し、仕事と家庭の両立に、必死で突き進んできた年月でしたが、ふと立ち止まった時「この辺で一度環境を変えてみたい」と思うようになりました。長年慣れ親しんだ病院を代わるというのは勇気のいることでしたが、思い切って当院で新たな一歩を踏み出すことに決めました。
この地域で育った私にとって、当院は家族がお世話になった身近な病院。「地元の病院でもう一度新たな気持ちで再出発しよう」という気持ちで転職し、3年が過ぎました。はじめは不安がいっぱいでしたが、スタッフが温かく迎えてくださり、すぐに打ち解けることができました。どこで働いても看護は同じですが、当院に転職して受けた印象は、みんな勉強熱心だということでした。

患者さんの回復が看護のよろこび

転職時に配属されたのは脳神経外科の病棟で、今もそこで勤務をしています。日ごろから心がけているのは「その人に一番大切な援助は何なのか?」を常に考えることと、患者さんへの声かけです。脳神経外科の病棟では、意識がなかったり、会話が出来なかったりする患者さんも多いのですが、どんな時にも声をかけることを怠らず、最善のケアをしたいと考えています。
以前、当病棟に入院されていた患者さんの話です。その方は意識状態が悪く気管切開をされていました。意思の疎通ができないことに患者さんはイライラし、看護師たちもどう対応していいのか戸惑う場面も多かった方なのですが、その後回復期リハビリの病院に転院していかれ、私たちの記憶も薄れてきていたある日、その患者さんが車椅子に乗って、私たちに笑顔を見せに来てくださったのです。スピーチカニューレを使ってお話しも出来、急性期を当院で過ごしたことへのお礼の言葉をくださり、私たちは大きなよろこびを感じました。

高い知識と技術を持って援助できるように

そんなふうに、患者さんが回復される姿を見るのが看護師として一番うれしい事ですが、その喜びを味わうためには、高い知識と技術を持って援助しなければいけないと思っています。
当病棟は急性期なので、展開が早く処置も多いため業務に追われがちな毎日です。しかしそんな中でも、常にリハビリを意識して関わっていくことや、タッチングなどを使ってコミュニケーションを深める技術を極めたいなと思います。
また、今年度は当院では初めてプリセプターを経験しましたが、その人に応じた指導をすることの難しさや、成長を支える喜びを実感しました。最も困難だったのは「待つ」ということでした。どうしても手を出したくなる気持ちをグッと抑えて待つというのは大変で、私自身も人として成長させていただいた気がしています。
私は看護の仕事にやりがいを感じ「これまで続けてきてよかった」と思っています。だからこそ、今後はこの仕事の素晴らしさを後輩に伝えることに力を入れたいと考えています。

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