12月 社会人基礎力を養い、心身ともに大人になる

 病院はこの時期、本来なら開院記念式や職員忘年会など、職員同士が親睦を深める機会が多い時期です。しかし、昨年度に引き続き忘年会は中止、開院記念式は規模を縮小しての開催でした。コロナ禍の中で入職し、職員同士の親睦も思うようにできないのが今の新人看護師です。看護業務を習得するのはOJTを中心に進めていますが、社会人として、組織の一員として社会人基礎力を養い、心身ともに大人になる事が新人看護師の課題でもあります。
看護という仕事は人と人とのかかわりの中から生み出されます。様々な立場や価値観に向き合い、新人看護師は、4月に比べると表情も態度も少しずつ変化しています。向き合っている相手を通して自分を知ること、組織の中の自分を俯瞰してみることを少しずつ身に付けている時期です。「相手の存在を認めた行動」「相手の反応をよくみる」「相手に分かるように伝える」、看護部のクレドを意識しながら大切な時期を過ごしてほしいと思っています。

新人看護職員研修責任者 大西孝子


山本師長と共に 新人M・S

 私が所属している中央手術室は、各診療科の様々な手術や検査を行っています。患者様に安心・安全な手術を提供する為に、手術の知識や器械だしの技術が必要であるとともに、他職種との協働で成り立っている部署です。
 入職してから約9か月が経ち、手術の外回りを責任を持って担当することや、器械だしを経験することが増えてきました。患者様の命を預かっているという緊張感から、悩み苦戦することばかりですが、先輩に相談しながらより良い看護の実践ができるよう日々取り組んでいます。
患者様は、ほとんどの方が手術や麻酔について不安を抱えていますが、術前訪問でアセスメントを行い、ニーズに沿った看護を計画・実践しています。不安を少しでも軽減できるように、わかりやすく説明を行うことや、手術室に入室されてからの関わり方などを工夫することで、「気持ちが楽になりました」といってもらえた時や、手術が無事に終わり、術後訪問で患者様の笑顔を見ることができた時はすごく達成感があります。手術室看護師として、今後も安心・安全な手術が行えるように、努力していきたいと思います。

新人看護師 M


 入職当時は緊張した表情で、手術室の看護師としてやっていけるのかと周囲からみていても心配することが多々ありました。たくさんの手術器械を覚えることに加え、緊張感ある現場の雰囲気になれることは、たいへんだったと思います。外回りの仕事を覚える事から始まり、現在は器械出しの勉強をはじまりました。9カ月がたった今、自分でできることが増え、少しずつ次に自分が何をしなければいけないか、何を覚えたいかを先輩たちと相談しながら知識や技術を身に付けてきました。緊張の連続ではありますが、表情も以前に比べるといくらか和らいでいます。
 患者さんと接する時間が少なくても、その時間が濃厚で、患者さんにとって「手術をしてよかった」と思っていただけるように、経験のひとつひとつを振り返りながら手術室看護師としての技術、姿勢を身に付けてほしいとおもっています。

中央手術室師長  山本