2月の新人看護師の様子

研修責任者からのメッセージ

2月6日には、「私の看護観」の発表会を開催しました。部署からも大勢の先輩や師長も参加して聞いてくれました。新人看護師達の成長を感じられるひと時になったと思います。また、OP・ICUに配属された新人看護師は、一般病棟での研修を行いました。習得項目の未経験項目の習得や、多重業務時の判断、一般病棟と特殊部署との連携等について学べ、新人看護師習得項目も一通り経験できたようです。新人研修期間もあと少しです。新人看護師は研修を受ける権利もありますが研修を受けて、患者さんに質の高い看護を提供する義務もあることを意識して残りの研修期間を有意義にそして自主的に取り組んで欲しいと思っています。何かとストレスの多い時ですが、仲間同士支えあって乗り切りましょう。プリセプター役の先輩ナースが『新人看護師ノート』に「よく頑張れています。これからも色々わからないことは聞きながら一緒に頑張りましょう。」とコメントしてくれていました。みんなに支えられながら成長していっているのだなと、とても嬉しかったです。                          

荻田

臨床心理士からのメッセージ

毎年、年2回の新人スクリーニング面接を行い、新人の皆さんに関わらせていただいています。6月に面接を行って以来どのように過ごしていますか?今年も2月後半から3月にかけて第2回目のスクリーニング面接を予定しています。
遠藤周作さんは「人が痛みや苦しみを自分ひとりで抱え込んで、誰にもわかってもらえない孤独感にさいなまれた時、その苦しみは2倍にも3倍にもなる。」と言われました。逆にいえば、誰かに伝えてわかってもらえた時、その苦しみは多少なりとも軽くなるのではないでしょうか?2年目に向かって不安な毎日を過ごされる皆さんにとって、家人、友人、先輩、同期など誰か1人でも気持ちをわかってもらえる相手がいたらいいなぁと思いながら面接をしています。何かあれば、気軽に声をかけてください。

田井

DCの取り扱い

150302-1DC(除細動器)の取り扱いについての研修を受けました。除細動器は心肺停止等の急変時や不整脈の治療に用いられ、心臓に強い電流を瞬間的に流して心臓の動きを改善させるものです。院内にはDCだけだはなくAEDもあります。緊急で使用する器械ですが、今回、使用方法や注意点を学んだことで緊急時にどう行動すればよいのかが理解できました。私はICUに所属しており、除細動機器を使用する機会が多いので実践につながる研修だったと思います。

ICU Y.M

「私の看護観」発表

150302-2私の看護観の発表を行いました。今の思いや大切にしていきたいこと、忘れられない患者さんの事を文章にして発表を行いました。1人1
人の思いが詰まっていて感動する発表会になりました。発表したから終わりではなく、今後の看護につなげていきたいと思います。発表会の最後には、お世話になった部署の先輩から励ましの言葉をいただき「新人カルガモバッチ」を外してもらいました。4月から2年目になります。初心を忘れず1日1日精一杯患者さんと向き合っていきたいと思います。

ICU Y.M

新人看護師習得項目の評価を終えて

1年間かけて103項目の習得項目をクリアしていくのは本当に大変でしたが、プリセプターやアソシエイト、各担当委員の肩に評価していただくことで自分に足りない知識や技術は何か再確認することができました。また、足りないところを自己学習したり、先輩看護師と振り返ることで日々の看護に活かすことができました。1年で習得した習得項目を2年目3年目になっても忘れず、次は後輩たちに伝えていけるようにこれからも頑張っていきたいです。

ICU Y.K

150302-3

私の看護観
~意識下で手術を受けられる患者さんとの関わりを通して~

中央手術室 A.Y

私の忘れられない患者さんは、大腿骨頸部骨折で脊椎麻酔下での骨接合術を受けられた女性のAさんです。この方は認知症で手術に対する理解も乏しかったため、入室時や麻酔の体位固定時には丁寧に説明するよう心がけ、手術は問題なく開始しました。脊椎自科麻酔では外回り看護師が術中管理を行うため、私は麻酔レベルが上がりすぎて気分不良が出てはないか、痛みはないかなど術中も声をかけるようにしていました。しかしAさんは受け答えはできるものの、はっきりとした反応はなく「今何しよん?」という発言もあるような状態でした。そんな時、SPO2の値がうまく測れない事が度々あったため、モニターを付け直そうと私はAさんの手に触れました。するとAさんは「あんたの手は暖かいなぁ。」と言い、私の手をぎゅっと握りました。その時初めて私はAさんの手が冷たくなっている事に気づき、保温を行いました。もう一度「暖かい掛け物をしましたよ。」と手に触れるとAさんは私の手を強く握って離さなかったため、私が「しばらくこうしていましょうか?」と尋ねると、Aさんは、「しばらく手を握っててほしい。」と言われました。Aさんのこの訴えが寒かったためなのか、不安からきたものなのかは分かりませんが、私の手を握る事で少し安心感を得られたのかもしれません。
Aさんとの関わりから私が学んだ事は、意識下で手術を受けられる患者さんの不安や緊張を少しでも和らげてあげることの大切さです。その頃の私は脊椎麻酔の術中看護に慣れておらず、緊張してモニターばかり見つめ、どの患者さんに対しても同じような声かけをしていました。安全に手術が終わる事ばかりに気が向いていたのです。そのため、患者さん一人一人の顔色や表情、状態の変化、不安や緊張に気がつく事ができず、患者さんが一番落ち着いた状態で手術を受けられるための看護をできていなかったのだと思います。     
自科麻酔で手術を受けられる方の中には、Aさんのように認知症があり手術に対する理解の乏しい方も多くおられます。そのような患者さんにとって、見慣れない手術室の中で意識下で手術を受ける事はとても怖い事だと思われます。そのことがあって以降、私は患者さんの様子をよく見てから声かけを考えたり、不安の強い方には肩の辺りに軽く触れて声をかけるよう心がけています。すると、認知症のある方に限らず、それぞれの患者さんがさまざまな思いを持って手術に臨んでいるという事に気づけるようになりました。「一生に一度かもしれないから、手術をしている様子を画面で見たい。」という方もいれば、「大丈夫です。」と言いながらも眉間にしわをよせ目を閉じている方や、緊張で額や背中に汗をかいている方もおられます。このように患者さん一人一人の思いを知ることで、その方が落ち着いて手術を受けられるために何ができるか、考えられるようになってきたように思います。局所麻酔下の手術から全身麻酔下の長時間に及ぶ手術まで、手術室には毎日たくさんの患者さんが来られます。どんな手術の時でも患者さんの不安や緊張をなるべく和らげてあげられるように関われる看護師を目指し、がんばっていこうと思います。