看護師の姿を見ながら学んでくれていると実感

集中治療室 看護師 野口里美

野口集中治療室は、内科系、外科系を問わず呼吸、循環、代謝などの重篤な急性機能不全の患者さんを収容し強力かつ集中的に治療看護を行うことにより、その効果を期待する部門です。集中治療室の患者さんは、急性期の病態であり、生体モニタリングがされており、刻々と変化していきます。看護師には、その状態を把握しアセスメントしていく能力が必要になってきます。そのため看護学生さん達には事前に学習する内容を知らせており、その学習をもとに実習に取り組んでもらっています。
重篤な痙攣発作で緊急入院された患者さんを受け持った学生さんの事です。受け持った日の患者さんは、緊急処置でたくさんの薬剤投与や呼吸器管理がおこなわれ、学生さんは、その患者さんの情報取集に努めていました。翌日、状態がさらに悪化し救命処置が多数の医師や看護師のもと行われました。その時の私は、救命処置に一生懸命で、あまり学生さんに指導や関わりをもつことができませんでした。しかし、後のカンファレンスで「あの貴重な経験は、多分一生忘れることはないです」と発言してくれたそうです。緊急時は一度に多くの指示がでて、処置がなされていきます。看護師はそれぞれの自分の役割を把握しながら、医師と共に患者の救命にあたりますが、学生さん達は、看護師の姿を見ながら学んでくれていると実感しました。そして私達、看護師の言動や指導のひとつひとつの大切さを改めて感じました。
4日間という短い実習期間ですが、それぞれの学生さんの実習が充実したものになるようスタッフ一同で支援していきたいと思います。また、急性期看護のやりがいを実感し、学生さんと共に私達も成長していきたいと考えています。