内視鏡技師の資格を持つ看護師

消化器内視鏡技師とは?

staff_naishikyou内視鏡センターでは、現在5名の消化器内視鏡技師が勤務しています。
消化器内視鏡技師とは、(社)日本消化器内視鏡学会の資格試験により認定される資格で、主に看護師や医療技術者により構成されています。業務は消化管内視鏡検査・治療の介助、補助業務に携わるものです。内視鏡室での勤務経験が2年以上で受験資格が得られるもので、試験に合格すれば学会認定の資格が与えられます。
この資格を得るためには勉強が必要であり、資格取得のプロセスで知識の向上が図れるため、先を見越してスムーズに介助が出来るようになります。その結果、患者さまへの負担が軽減できます。また、有資格者であるということの責任感が、絶えず勉強することへの後押しもしてくれるように思います。

私たちができること

内視鏡センターでは、私たち消化器内視鏡技師だけが患者さまの介助をするわけではありません。だから、私たちが中心となって、患者さまに対して安全に検査・治療が受けられるように介助を行う方法を話し合う機会をつくろうと考えています。また、技師会に参加して新しい知識を得たことを、スタッフに伝えるのも私たちの役割だと思っています。
当院の内視鏡センターは、昨年度、上部内視検査が約6700件、下部内視検査が約2200件、そのほか特殊検査を行ってきましたが、最近多くなっているのがESDとよばれる内視鏡的粘膜下層剥離術で、昨年は60件の症例がありました。これは、早期胃がんの病巣を、内視鏡的に取り去るものですが、このような内視鏡手術を介助する場合も、専門的な知識を持っていることで、自信を持って対応出来、その余裕が患者さまへの安心感につながると思っています。

その人の人生を左右する検査だから

内視鏡検査というのは、患者さまと1日だけの付き合いです。しかし、その1日は、患者さまの人生にとってとても重要な一日なんです。
多くの場合「ガンかもしれない」という大きな不安を持って検査を受けに来られますが、検査をしている途中にも、患者さまの気持ちは不安でいっぱいだと思います。検査を受けて、何もなければ気持ちが晴れて帰られますが、ガンが見つかり、人生のどん底の気分になる人もおられます。
たまに検査中、悪いモノかもしれないという告知を受ける場合もあり、その瞬間に患者さまを支えるというのが、私たちに課せられた役割だと思うのです。検査中はご本人も頑張っておられるのですが、検査を終えてから、ベッドで涙をこぼされることも多々あり、そんな時にフォローするのもまた、消化器内視鏡技師の仕事だと私たちは考えています。