はじめての実習指導

南4病棟 田所 陽衣

今回はじめての実習指導委員として、専攻科2年生(成人看護学)の実習指導を担当しました。人に何かを教えたり指導したりすることが得意ではない私が、実習指導者として何をどのように指導したらよいのか分からず、大きな不安を抱えてのスタートでした。
実習期間中私は、日々の業務に追われ、学生さんがいても普段と変わらず自分の受け持ち患者様の看護をしていました。学生さんに指導者としてあまり指導できていなかったので「ごめんなさいね。何も教えてあげたり、学びになる指導ができなくて。」と伝えると、学生さんから「いえ、一緒にケアをしたり、看護師さんがすることを見せてもらうだけで勉強になります。」という返答がありました。その言葉を聞いたとき、実習指導者会の勉強会に参加して得た『自分が看護師としてイキイキと働く姿を見せることが大切である』という意味がつながりました。

今回の学生さんは、皆さん社会人経験があり、准看護師の免許をもっていたので、患者さんとのコミユニケーションもスムーズで、順調に看護過程の展開を進められていました。学生さんは、患者様やご家族とのコミユニケーションのなかで、看護師でも知らない情報を得ていることがあります。本来指導する立場である私が、日々の学生さんの記録やカンファレンスから、患者さんの思いを知り新たな気づきを得てその患者さんの今後の看護援助の方向性を再認識することもありました。最終カンファレンスの時、学生さんは「患者さんの援助を通して”うれしい”思いが湧き、看護の喜びを感じることができました。」と発表してくれました。

実習指導者として肩に力を入れすぎていましたが、学生さんにとっては、私が看護師として良い看護を実践してみせることが何よりの指導になるのだと実感しました。これからは、気負わず、学生さんが、「このような看護師さんになりたいなあ。看護師さんはやりがいのある仕事だなあ。」と思ってもらえるような指導者に成長したいです。また、学生さんと共に看護の喜びを感じ続けたいです。