真鍋幸恵
IT関連の仕事をしていた私は、仕事で病院に出入りすることが多くありました。仕事で看護師さんに接するたびに、忙しい中でも楽しそうに仕事をされている姿が印象的で、自分も看護師になりたいと思うようになっていきました。そんな気持ちを看護師をしている姉に相談すると「看護師はやりがいのある仕事。やりたいなら今からでも遅くない」と背中を押され、社会人経験を3年経て看護学校に進学しました。
私は当院の近くで生まれ育ったことから、三豊総合病院は家族が病気になると、いつもお世話になる身近な病院でした。看護師になったら地元で働きたいと思っていたこともあり、当院のことを調べると、新人教育も充実していることがわかったので「ここなら成長できそうだ」と考えて就職を決めました。
先入観を持たずに向き合うことが大切
学生時代の実習では、外科での看護が楽しいと思ったため、就職の時には外科病棟への配属を希望しました。外科が楽しいと思った理由は、手術をして日に日に回復されていく過程が目に見えるところであり、患者さまが回復されてきたときに、パッと見せてくださる笑顔をみるのが嬉しいです。
看護師になってからたくさんの患者さまと出会いましたが、忘れられないのは、ある末期の患者さまのことです。その方は、がんで入退院を繰り返し、いつも看護師をはねのけるような態度をされていました。それまで異なるチームに入院されていたのですが、遠目に見ながら私はその方に怖い印象を受けていました。その患者さまが私のチームに入院されることになったのですが、私は近よりがたく、訪室するのも気が重いような状態でした。そんなある日、その方は私が準夜のときに痛みを訴えられました。しばらく私は痛みのある部分をさすっていると、これまでの出来事や不安な気持ちをポツリポツリと話し出されたのです。その日を境に訪室するのが楽になり、そうすると会話が弾むようになっていきました。その後、その方は徐々に状態が悪くなり、私が受け持ちの時に最期の時を迎えました。
その患者さまは、勝手なイメージをつくって相手に接し、距離をおいてはいけないことを教えてくださったようで、今も忘れることができません。
栄養についての知識を持った高めたい
日ごろ心がけているのは、笑顔を忘れないということです。マスクをしていていると表情が伝わりにくいものですが、目だけでも笑顔が伝わるようにと思いながら患者さまに接するようにしています。
やりがいを感じるのは、自分の成長を実感する時でしょうか。たとえばドレーンの色を見て「おかしいな」と思い、医師に報告して検査をすると異常が見つかったりした時などは、知識がついてきたかな?と感じて嬉しいです。また、患者さまとお話をすることで、スッキリした表情になっていただけたら、些細なことが回復への意欲を高める看護になると実感でき、やりがいへとつながります。
これからの目標は、栄養に関する知識を高めること。今は、がんの患者さまに関わることが多いのですが、食欲が低下すると栄養状態が悪くなり、傷の治癒や皮膚の状態に悪影響を及ぼします。そんな様子を見ていると、栄養って面白いと思うようになりました。だから、栄養サポートチーム専門療法士などの資格取得も視野に入れながら、深く勉強したいと思っています。