入退院を繰り返す祖父母、看病する母、私に何かできないか・・・

160524mitoyo川村亜友子
私が看護師になろうと思うきっかけとなったのは、入退院を繰り返していた祖父母を見ていて何かしてあげることができないかと思うようになったです。そして、威厳のあった祖父が老いていく姿、病にかかり弱っていく姿を見て、辛い思いをしながら看病している母親を見ていて何ができるのかを知りたいという気持ちがどんどん強くなっていきました。2歳上の姉が看護学校に通っていたという影響もあり、自分も看護師になる道を選びました。ただ、看護学校に行くと勉強漬け、実習は厳しい、記録に追われるという現実の中でうんざりした気分にもなりましたが、励ましあう友達と過ごせたおかげで何とか看護師になれました。看護師になりたての頃はさらにきつかったです。業務をこなすのが精一杯で、その繰り返しの日々でした。ただ、辞めたいと思ったことは一度もありません。それは、人が好きで、触れ合うのが楽しいからだと思います。患者様と関わる、家族の方と関わる、そしてスタッフと一緒に患者様のことを考えて、厳しい課題にも励ましあいながら仕事ができるからだと思っています。

指導を学ぶことで、指導にも看護にも私にとって大きな変化

看護師になって2~3年目は後輩の指導をしなければならないのですが、私は指導に苦手意識を持っていました。自分が指導したことが、きちんと伝わっているのか、理解してもらえたのかが不安でした。周りの人たちと比べたら余計にそう思い、後輩たちに伝わっているかどうかを確認するのも怖かったです。そういう課題も克服しようと指導者講習会に参加しました。完全に課題が克服されたわけではありませんが大きな変化のきっかけを得ました。これまでは自分が知っている情報を伝えることに意識を置いていましたが、今はメンバーの能力、性格、状況、事情などを考慮することを優先するようになりました。そして、どうしてあげたらいいかを考え、ヒントを提供するようになりました。また、患者様との関わり方も変わりました。これまでは、極端な話、何でもしてあげるのが良いと思っていましたが、今は患者様のこれからを考えると、自分でしないといけないことが何かを理解してもらい、できる限り手を出さないようにしてあげないといけないと思うようになりました。

全人的に看ることができる看護師になりたい

今は、二人の子どもを育てながら仕事をしているので、出勤前のバタバタ感と仕事が終わってからの家事に追われて、時間管理の難しさに戸惑うこともあります。ただ、こうして仕事と家庭を両立できるのは、今の病棟のスタッフとの関係がいいからです。私にはとてもありがたいことで、これからも看護師として頑張っていきたいという気持ちの支えです。将来的には、全人的に看ることができる看護師として家族看護にも介入していきたいと思っています。それは、看護師になるきっかけとなった祖父母の入退院、母親の姿が潜在的にあるのかもしれません。休日に子どもを幼稚園に送った後、空いている時間を使ってちょっと勉強をしています。もちろん、勉強だけでなく、適度にリフレッシュもしています(笑)。