母の言葉に刺激を受けて

mitoyo-1512-story01宮脇 工
私が看護師を目指したのは、看護師をしている母の影響が大きかったのだと思います。私が子どものころから、母は時折「母自身が楽しんで看護の仕事をしているんだな」と思わせる話を聴かせてくれました。そしてそんな話を聴くうち、仕事に誇りを持っている母の姿に刺激を受けるようになり、将来の仕事を選択する際には、母と同じ看護師になろうと決めました。
就職先を選ぶ際には、地域と病院をつなげて看護を考えらえる病院を探したいと思い、大学の先生に相談したところ、当院を紹介してくれました。ホームページを見ると、いろいろな先輩方が紹介されており「自分もこんな看護がしたい」と思って、採用試験を受けました。
就職後は受け持ち患者さんが増えるとパニックになってしまうこともあったのですが、家に帰ってから1日の仕事を振り返り「こう対応したらよかった…」という反省を繰り返しながら、仕事に慣れていきました。

独りよがりの看護ではいけないと学ぶ

新人の頃の話ですが、事故により複数部位を骨折して寝たきり状態を余儀なくされた患者さんを受け持ちました。排泄に対して羞恥心の強い方でしたが、便秘が続いておられたために、私は便秘という問題点を解決するため摘便を勧めて実施しました。便秘は解消されたのですが、後になってその援助を振り返ったとき、果たして患者さんの意思を尊重したものだったのかという疑問が残りました。患者さんは人一倍羞恥心が強いこと、本当は自然に出るのが一番だということなどを配慮したら、もっといい援助があったかもしれません。その振り返りを通して、看護は独りよがりになってはいけないことを学びました。そして、看護師が考えていることを口に出して、患者さんの意思を確認し、患者さんと一緒に、より良い援助を考えることが必要だと考えました。その「考えを口に出す」というのが苦手な私は、その課題の克服に向けて頑張っています。
また、当院は時間軸を考えたケアを重視していますが、これは、入院前の生活を把握し、退院後の生活を考えて、今、必要なケアを導き提供するというものです。しかし、まだ私は目の前の患者さんのことしか考えられない部分があるので、時間軸を考えることを意識しながら、日々の看護に取り組んでいます。

将来はプロフェッショナルを目指したい

今後の目標は2つあります。その1つは、救急看護の力をつけたいということです。今の病棟で経験を積んだのち、いつかは救命救急の場面で命を救える知識と技術を身につけたいと考えています。
2つめは、認定看護師の資格をとるということです。大学時代に、がん看護の認定看護師さんの話を聴く機会があったのですが、豊富な知識を持つその方に対して「かっこいい!」と素直に思い、1つの分野を突き詰めることへのあこがれを抱いたのです。だから私も、いつかは興味のある領域を絞り、プロフェッショナルを目指したいと考えています。
私が看護師を目指すきっかけとなった母は、今も楽しく看護の仕事を続けています。私も同じ職業人として、これからも看護の話をしていけたらうれしいと思っています。