マネジメントリフレクション 師長対談

阿野・大西・山本


大西由佳里(師長3年目)×阿野慶子(師長1年目)×山本仁恵(師長1年目)
今回は大西由佳里、阿野慶子、山本仁恵の3名の師長にマネジメントリフレクションについて、そして師長の仕事や職場づくりの抱負について聞いてみました。


師長たちのリフレクションが看護管理の教材となり、気づきの多い良い機会(山本)

-マネジメントリフレクションについてお聞かせください。

(大西)マネジメントリフレクションは経験年数の短い師長たちが自らの看護管理を振り返る機会です。毎回、1人師長が課題提示して、自部署での管理体験についてどの点が良かったか、不十分であったかなどを整理し、発言します。参加者全員で共有し、アドバイスし合います。副部長や経験の長い師長も参加しているので、適切なアドバイスを受けることができ、最後には概念化でき、実践すべきことが具体的になるきっかけとなるケースが多いです。
(阿野)私は新人の師長なので日常は振り返る余裕がなく目の前のことで精一杯ですが、課題を立てても、何が困っているのかさえなかなか整理するのは難しいです。マネジメントリフレクションの機会は、参加している人たちにより客観視される機会でもあるので、自分自身の課題がよくわかり、何が足りていないかがよくわかります。
(山本)主任の時に見ていた病棟、師長になってから見える病棟が違うのは十分認識していますが、どうすればいいのかが正直言ってわからない中で仕事をしていました。2年目・3年目の師長と話し合う機会があることで、自分のリフレクションに方向性や考えが見いだせるのは有り難いです。そして、他の師長たちのリフレクションは、自分の看護管理の教材となり、気づきの多い良い機会になっています。
(大西)私は参加して3年目ですが、各々のリフレクションの内容もすべて違うし、看護の視点も違うのでとてもいい機会になっています。自分が課題としていることを相手にわかりやすく話すことは難しいですが、先輩たちに問われることで、整理されるので、課題が具体化していくのでスッキリします。

メンバーに頼りにされ「私が責任者なんだ」と力が湧く瞬間に感じる師長のやりがい(大西)

-ところで、師長の仕事は楽しいですか

(大西)師長の仕事はおもしろいというか、楽しい仕事だと思います。スタッフの個性、また、それぞれの要求がある中でうまく運営していくのは大変なことですが、メンバーに頼りにされることで「私が責任者なんだ」と力が湧く瞬間があり、みんなと一緒に良い仕事をしていきたいと思える時に師長のやりがいを感じます。
(阿野)師長によって職場環境が変わるので責任も重いと感じています。まだ楽しみを感じる域には達しておらず、日々精一杯で、試行錯誤の毎日です。ただ、やってよかったと思っています。師長になってスタッフへの関わりが主任時代よりも前向きになりました。それをまたみんなも受け入れてくれているので、さらに私も関わりを深めたくなっています。
(山本)楽しい時もあり、しんどい時もありという感じです。トラブル発生時の対応に関してはどのように対応したらいいのか、まだ戸惑いがあります。これまでは、そんな時は師長がいましたので・・・。「最後の砦になったんだな」と思います。たぶん、これから楽しみは増えるのだろうという予感はあります。

「あれもあるよ、これもあるよ」ともう一歩踏み込んでモノを考えるようにしていきたい(阿野)

-どんな職場にしていきたいですか

(大西)看護師として自立し、本当の意味でのプライドある仕事をする職場でありたいと思います。患者さんが良くなることを考えて、自分を磨くスタッフがおり、「次はこんな看護がしたい」というメッセージの発信が溢れるような職場を目指したいです。
(阿野)私の部署は、多職種のスタッフもいますし、メンバーの個性も様々です。患者さんのために何ができるのか。やはり、このことを最も大切に、個々が考え合う職場にしたいと思います。もっとお互い勉強して、情報を共有して、それぞれがもう一歩踏み込んで考えるようにしていきたいです。「これもあるよ、あれもあるよ」と声があがる職場にしていきたいと思っています。
(山本)私の部署は看護必要度が最も高い職場です。スタッフの構成は、年齢も様々で、この部署の経験しかないスタッフも半数います。経験年数も短い若いスタッフも多いです。しかし、みんな想いを持って看護師になった人ばかりです。そんな彼らから、この部署で看護をしていろいろな良い経験ができたと言われるような職場にしていきたいと思います。

-お二人の副部長からメッセージをください

(池下副部長)それぞれの師長がリフレクションをすることでプラス志向になっていると思います。それぞれ違った悩みがあり、簡単に答えが出ないことをお互い真剣に考えながら進めているので、自分事になっているのだと思います。私のスタンスとしては、「こうしたらいい」と意見を言わずに、自分たちで答えが導けるようにコミュニケーションすることを心掛けています。
(大西副部長)「あれも、これも」と悩んでいること、困っていることがたくさんあり、何が最も重要な課題なのかがなかなか見えてこないこともあります。発見するのに時間かかることもあります。それくらい自部署のマネジメントについて、スタッフの成長について師長たちは真剣に考えているので、成長に繋がっていると思います。