緩和ケア認定看護師 白川 律子

その人らしく生きることを支えるのが緩和ケア

staff_expert6緩和ケアは看取りのケアではなく、さまざまな苦痛を緩和し生きることを支えるケアです。入院したら終わりではなく、苦痛が緩和できれば自宅での生活が可能になります。そのために、患者自身が住み慣れた場所でその人らしく生きることを支援すること、患者を支える家族の思いを聴き寄り添うこと、地域の医療者との連携を実践しています。

主治医から両下肢のリンパ浮腫ケアを行って欲しいとの相談を機に、外来から入院・在宅療養に至るまでケアを継続できた方がいました。患者・家族にもできること(マッサージなど)を説明すると、最初は消極的だった家族が積極的にケアに参加できるようになりました。在宅でのリンパ浮腫ケアに関わるようになってから、訪問看護師が浮腫ケアに積極的に介入することができたり、家族が継続してマッサージを行っているという話を聞くことがあり嬉しく思っています。
自宅でも入院中と同じケアが受けられる保証があるということは退院のきっかけにもなるため、患者・家族の希望に応えられるように地域の医療者との連携を継続させたいと考えています。「がんになっても自分らしく生きることを支える」この思いを念頭に置き、緩和ケアを提供したいと思います。