看護実践を書籍化

看護はライブ」とは、患者さんがおられる空間でその時にいた人たちで、目の前の患者さんに応じた看護を創りあげること、また患者さん、ご家族と心が通じ合える瞬間を大切にする看護という考えを表現した言葉です。
私たちの「看護はライブ」という考え方を広げると同時に、看護から喜びを感じあえる看護部でありたいと考えて、三豊総合病院の看護を表すために「看護はライブ!」という書籍を出版しました。

「看護はライブ!」 vol.2

book3書籍 つながる看護を表わす
急性期病院の看護師が関わっているのは、患者さんにとってはほんの一時期。病院では、今の患者さんの問題点に注目しがちですが、入院前の生活があり、入院時の援助が退院後の生活へとつながっていくのです。
そんな風に、その人の過去・現在・未来の総てを支えるのが看護の役割。この本では、当院に勤務するさまざまな看護師が介入し、患者さんの生活を支えた”つながる看護”を表しました。

「はじめに」から抜粋
三豊総合病院企業団は三豊総合病院、保健福祉総合施設「すこやか」、介護老人保健施設「わたつみ苑」からなり、急性期医療と在宅医療、予防・保健、介護・高齢者福祉、をつなげて提供しています。
私は部署や委員会、チームからいろいろな患者さんについての報告を受けることがあります。またライブの会で心に残っている患者さんについて語ったことを聞くこともあります。そんな中で、患者さんが重なって報告されているケースがいくつかありました。
そのようなケースは、複数の部署やチームが関わり、その患者さんにとって必要なことを提供しようと取り組んだケースです。また治療の経過に伴い、病棟で、外来で、施設で、在宅で必要なことを切れ目なく提供できていました。
現場で働いている看護職は目の前にいる患者さんに一生懸命必要な看護を提供しています。一人の看護職が関わっているのは、患者さんにとっては一時期ですが、次の看護に繋がっていました。これを自然にできるのが三豊総合病院の看護であると考えています。
そこで、がん診療拠点病院、災害拠点病院、地域救命救急センターなどの機能を担っている482床の急性期病院である三豊総合病院が提供している地域包括ケアのなかでの看護を表したいと思い、この本を作ることにしました。

「看護はライブ!」

book2看護師が大切だと思うことを綴る
第一弾は、心に残る患者さんとの場面を表しました。それは、何年経っても心に残っている出来事は、今も大切にしていること・こだわっている事だからです。
看護師個人が体験した看護を綴ることで、当院ならではの看護を伝える本になりました。

「はじめに」から抜粋
看護師たちはいつも、患者さんがおられる空間で、その時に居た人たちで、目の前の患者さんに応じた看護を創り上げています。だから「看護はライブ!」だと私たちは言っています。
看護にきまりはありません。「この人にはこのように援助したらこんな結果が得られた・・・では、あの人にはどのように援助しようか?」と考え、工夫するところに看護の面白さがあると思います。 患者さんの数だけ看護があり、可能性は無限に広がっていくところが、看護は魅力ある仕事だと感じる所以ではないでしょうか。
看護師は、「日常生活援助」や「診療の補助」などのケアを通して患者さまに「刺激」を与えます。看護師のケアに対して「人間」である患者さまが「反応」を返してくれます。それを観察や測定して、自分の援助を振り返り、次の刺激を考える・・・この繰り返しが看護過程です。そしてその看護過程の中に、毎日小さなドラマが生まれているのです。
しかし忙しい日々の中ではそれを振り返ったり、かみしめたりする余裕もないのが現実です。だから今回、ひととき少し立ち止まり、忘れてしまっている貴重な出来事、ふとしたときに思い出す素敵な話・・・そんな場面を振り返り、看護の素晴らしさ、面白さを再確認したいと思いました。
そして私たちの看護への想いをたくさんの人に届けたいと考えました。この本を読んでくださった人々の心に、温かい「看護の想い」をお届けし、看護を通した心の絆が生まれたら嬉しいと思っています。