臨地実習を終えて

循環器病センター 看護師 安倍宏美

毎日緊張した面持ちで実習に来る学生さん。色々説明をしながら技術を見学してもらいたいのですが、業務や目の前の患者様の対応で手一杯で、後ろについてきている学生さんへの対応は、後回しにしてしまいがちです。循環器病センターという場所柄、話の途中でモニターを見てステーションを飛び出す事も多々あるのに、懲りずに看護師にタイミングを見て話しかけてくれて、学生さんの学びたいという意欲に刺激をたくさんもらっています。
今回、学生の担当になった患者様は、循環器の疾患だけでなく、複数の疾病に罹患し同時に治療を継続しており、学生さんは何にフォーカスを当てて計画を展開していく必要があるのか、悩んでいるようでした。その都度助言をしながら実習を行っていましたが、あまり会話をする時間が取れず、スムーズに実習が行えているか指導者として十分に把握できないまま最終カンファレンスを迎えてしまいました。しかし、今回の実習で学んだ事を聞いてみると、学生さん達が立案した計画を実施して患者様の反応を感じ取り、「前より少し意欲的になった、前向きに会話してくれるようになった」と、患者様と関わることのおもしろさを十分実感してくれているようでした。また、同じADL低下への関わりでも、対象の患者様が違えば計画の内容や目標は違うということを、学生さんに気付いてもらえ、指導者として学生さんに関わる事での喜びを感じています。患者様から学び、学んだ内容を患者様に還元できるような看護が実践できるように指導者として学生さんと関わっていきたいと思っています。