プリセプターの様になりたいと苦難の新人時代に楽しみを見出せた

大谷沙由梨
テレビのドラマ、アニメ、伝記に登場する看護師が患者を看る立ち居振る舞いに憧れて、「この仕事しかない!」と私は看護師への道を選びました。しかし、新人の頃の私は、そんなイメージとは程遠く、仕事にかなりのしんどさを感じ、生活も精一杯で余裕がありませんでした。仕事が思うようにできない、仕事がなかなか終えることができない、覚えなければならないことも多い、同じことを何度も聴くことができず先輩にも気を遣う…といった状態でした。でも、辞めたいと思うことは一度もありませんでした。それは、プリセプターである先輩がとてもカッコよく、自分もこうなりたいという具体的な目標があったからです。また、私に対して一生懸命に指導して下さり、それに応えたい、そして、有難いという気持ちがありました。他には、同期同士お互いに支え合うことが多く、一緒にこの状況を早く乗り越えたいという気持ちにもなれました。今、振り返ると私は職場の人たちに恵まれていたと思います。新人として半年を過ぎる頃から、できることが増え、憧れのプリセプターからもほめられることが多くなり、仕事に対して楽しみが見いだせるようになってきたように思います。

「大谷さんが看てくれたら安心するわ」が嬉しい。もっともっと患者さんの不安を和らげたい。

看護師として私が嬉しい瞬間は「大谷さんが看てくれたら安心するわ」と言われる時です。入院患者さんで安心した気持ちの人なんて誰もいないと思っています。病気やケガは不安の種であって、安心を与えるものではありません。だから、いかに気持ちを和らげることができるか、いかに不安を軽減してあげることができるかということを大事にしています。そのためには、私は、限りある時間の中でも、できる限り会話を増やして、患者さんの気持ちを正確に理解することを心掛けています。そのことで、適切な看護を提供しやすくなるからです。また、質問されたことに対してあやふやな回答はしないようにしています。正確に、納得性の高い回答をするように心掛けています。また、仕事が忙しい時は、バタバタするものですが、バタバタしている様子を見せないように、特に、表情には気を遣うようにしています。その他、患者さんは、就寝時には精神的にもしんどさを感じられる方も多いので、ナースコールで呼ばれることもよくあります。そんな時、肩をポンポンと軽く叩いてあげて「大丈夫ですか?」、バイタルを測って「安心ですね」、「心電図もしっかり見てますからね」といった感じで、患者さんに対して私たち看護師が近くにいることを示してあげるようなことを意識してするようにしています。小さなことを積み重ねながら、その時々の不安を軽減していき、患者さんにできる限りの安心を提供していきたいです。退院される時の元気なお姿に、少しはお役に立てたかなとホッと胸を撫で下ろしています。

「笑顔を忘れずに楽しく仕事をしよう」をモットーに、達成感を感じ、称え合う職場にしたい

この4月に副主任になり、上司と一緒に職場の運営をする立場になりました。私は、「笑顔を忘れずに楽しく仕事をしよう」をモットーに上司やメンバーとともにイキイキと働くことができる職場を実現していきたいと思います。今、メンバー一人一人がどんな風に仕事をしているのか、仕事と生活のバランスはうまくいっているのか、育休明けのスタッフはどんな不安を感じているのかなどを雑談も含めて話す機会を作って、理解に努めています。また、新人は緊張感や人間関係の不安があると思うので、新人の目線に立って、彼らの抱く理想と現実のギャップにできるだけ理解し、一つできたらしっかり評価をし、うまくいかないことに対して一緒に考えるといったことを積み重ね、看護師になってよかったと思ってくれるように接していきたいと思います。副主任になると、少し孤独感を感じるかと思いましたが、有難いことにそれは全くありません。上司は私にメンバーの思いを伝えてほしいと言うので、メンバーとのコミュニケーションは多いですし、また、上司とのコミュニケーションも多いので私はとても楽しく仕事をさせて頂いています。メンバーにも仕事が楽しいと思ってもらいたいので、小さな目標でもいいので、それぞれの目標を互いのメンバーが知り、共有し、達成感と称え合う職場にしていきたいと思います。常に前向きな発言を意識して、さらに質の高い看護を提供できる職場にしていきたいと思います。