1年目は何もわかっていないと思うくらい業務に追われていた

北畑樹菜
私が看護師になろうと思ったのは中学生の頃です。テニス部に所属しており、外部からのコーチが「看護師に向いているのではないか」と言って下さったことがきっかけで、看護師に興味に持つようになりました。周りの人たちにも、看護師について話すうちにどんどんその気になり、高校進学時に看護科を選びました。学生時代は特に実習が好きでした。患者さんと直接関わることができるのが嬉しくて、特に年配の患者さんのお話を聴くのが楽しかったという思い出があります。看護師なった1年目は、看護学校で看護を学んできたはずなのに、何もわかってないと思うくらい業務に追われる毎日でした。手術が多く、入退院が激しいのでうまく段取りができないことが多々ありました。1日の仕事が終わる頃に患者さんに「あれもしてあげたかった、これもしてあげたかった」と思うような日々が続きました。でも、2年目、3年目と経験を積んでいくうちに、時間配分のコントロールができ、段取りがスムーズになり、そうすると心にも余裕が出てきて、患者さんとの関わりの中で、求められる答えを考えられるようになり、仕事が楽しくなってきました。

良い提案をするためにも、患者さんの考えや希望を全部聴きたい

ありきたりなことかもしれませんが、「患者さんからのありがとう」ほど嬉しい瞬間はありません。自分が必要とされているという実感を得られると、患者さんに対してもっと工夫をして、良い提案をできるようになりたいと思い、モチベーションが上がります。私が看護をする上で大切にしていることは、患者さんのケアをする際に、一人ひとりの個性を大切にするということです。具体的には、まず、患者さんの考え方、希望、意見を全部聴くようにしています。これ以上ないというくらい聴いたうえで、自分の考えや意見、提案をわかりやすく伝えるようにしています。そして、医師を初めとする他職種の人たちを巻き込んで、適切な看護ができるように連携していきます。こうして仕事をしていくことで、ひと通りの仕事をする中でも、患者さんに対してプラスアルファのことができるようになることが多く、仕事はどんどん楽しくなってきます。例えば、退院支援をする際に、家に帰ったらこの患者さんはどうなるのだろうと思いを巡らし、患者さんとの話し合い、場合によってはご家族と連絡を取り合うことで、考えが具体化し方向性が見えてくると、患者さんとの関係性もとてもよくなってくるので、看護の喜びを感じながら仕事ができてくるのだと思います。

足りていない技術・知識を習得し、患者さんともっと深く関わっていきたい

もうすぐ4年目になりますが、今後は自分に不足していると思っている技術・知識を積極的に習得し、たくさんの経験を積んでいきたいと思っています。具体的には内科的な疾患の勉強や急変時の対応についての勉強をしていきたいと思います。要するに、もっともっと患者さんと深く関わっていきたいということです。深く関わると言っても、やはり気持ちだけでは限界があるので、技術や知識の裏付けがあってこそ、スピーディに、そして正確に仕事をしていけるので、患者さんに対してより適切な看護がして、もっと深いかかわりが持てるのではないかと考えています。それから、新人のサポートもしっかりしていきたいと思います。新人の頃は業務的な段取りに追われることが多いと思うので、「こうしたらいいよ、ああしたらいいよ」とアドバイスをし、早い時期に患者さんとの関わりに喜びを感じてもらえるようにサポートしていきたいと思います。そして、不安な時期なので、私から声かけ、気にかけてもらっていると実感してもらい、職場の一員という安心感を持って働いてもらえるようにしたいと思います。もちろん、新人たちの話もしっかり聴いてあげようと思っています。