ラダー1を再度取り組み、自分の看護の芯が明確になった

安倍宏美
私は現在、子育てをしながら仕事をしているので、本当はもっと看護について深めていきたいのですが、物理的に大変なので病院が提供している研修についても興味のある分野に絞って受講するようにしています。以前は他の病院に勤めていたので、クリニカルラダーもレベル3まで修了していましたが、この病院で勤めるようになり、もう一度レベル1から学び直しました。中でも看護観を書くことは初心に戻ることができ、より一層看護を深める機会になりました。私が日頃から大事にしていることは、患者さんとその家族の想いに寄り添うということです。なぜ、患者さんはこの病院に通院しているのだろうか、病院に来るまでに感じた痛みや辛いことは何だろうかといったことを聞き出し理解しようとすること、仮に誤った認識をされていても一度受け止めて同意したり、肯定したりしています。看護観を改めて書く以前も、そういうことは意識して対応していたのですが、やはり看護観を振り返り、書くことにより、自分がこれまで頑張ってきたことや想いを持って仕事に取り組んできたことが明確になり、看護の芯がしっかりしたものになったと思います。ラダー1はもう終わったからと自分はできていると思わずに、再度取り組んだことで、自信に繋がったと思います。

看護の楽しみは、上司から指示されていないことを見つけることから始まる

今後の私ですが、子育てと仕事のバランスを考えると徐々に仕事の比重を上げていきたいと考えています。この先も患者さんと話をするのが大好きなので、患者さんに寄り添っていくことができる環境に身を置いていきたいと思っています。今のところどんな領域で仕事がしたいというのはあまり考えておらず、現在所属している部署で自分に何ができるかということ、この部署が良くなるためには何が必要か、患者に寄り添ううえでプラスアルファを提供するためにはどう動けばいいのかといったことに取り組んでいきたいと思います。看護という仕事の楽しみは、やはり上司から指示されたことをするだけでなく、指示されていないことを自分で見つけて、この患者さんにはこんなことをしてあげたいという想いを持てるようになることだと思います。そのことで、知識を深めたり、意欲が出てきたりして、前向きな体験が積み重ねていくことができるのが魅力です。もちろん、自分一人だけでは何もできないので、自分に足りないことは周りを巻き込みながら看護の質を上げていきたいと思います。そして、自分にできることだけでなく、役割として責任を持つべきこと、自分ができるようになりたいことについては研修に積極的に参加して習得していきたいと思います。

若い看護師をみんなで育てようという風土が良いところ

この病院で私は新人教育を受けたわけではないですが、新人教育はとても分かりやすくていいと思います。集合研修も充実していると思います。新人の育成については、まずプリセプターとの信頼関係を築く事から始まると思いますが、プリセプターナースだけでなくアソシエイトナースと共に新人教育が行える点がとても良いところだと思います。新人ナースだけでなく指導にあたるプリセプターナースへの教育もフォローできる点、それを含めて若い看護師をみんなで育てようというのはとても良い風土だと思います。私は若い人たちには興味のある分野に特化してキャリア開発をしてもいいのではないかという考えを持っています。現実には結婚、出産、育児とパワーのかかるライフステージがあるので、集中して仕事ができるうちにそれを発見して、極めていくことで強みが形成され、30年、40年の看護師生活を充実させられるのではないかと思います。そのうちに、また興味のある分野にも巡り合い、キャリアを複線化し、独自性の高い看護師にもなれるのではないでしょうか。この病院は、積極的に学ぼうとする人には正規職員、パートの方に分け隔てなく教育機会を提供しているのが良いと思います。また、しっかりとしたクリニカルラダーがあるので、本人のスタイルに合った、進度に合った教育を受ける事ができるのも良いと思っています。