南4階病棟師長

提案・実行が早く、成果を導き出す看護師長 細川久美子

kanri-160425-01方針を出せば、すぐに提案が返ってくる。すぐに実行する。そして、確かな成果を導き出し、メンバーにも周囲にも好ましい影響力を発揮してくれた細川師長のこれまでの話題を中心に、この4月に異動し、新しい職場での抱負を聞いてみました。

とにかく、すぐに提案、すぐに実行。患者様の側に立ち、必要なことはすぐにやる。

kanri-160425-02森安)これまで外来の師長として頑張ってきて頂きましたが、このたび病棟に異動になりましたが、何か違いを感じていますか。
細川)はい、病棟だと患者様の人数が多い外来に比べて患者様とのコミュニケーションを密に取れます。しかし、外来を担当している時はそれが難しく、待ち時間の長さに患者様をイライラとさせる、そうするとクレームが発生するなど病棟とは違う状況がありました。
森安)以前、患者様の状態を待合室に行って先に見ておこうという方針を出したら、細川さんはホントにすぐ提案をくれましたよね。
細川)医師の横にいるだけではダメだと。患者に接近しようということで、まず待合室に行って患者様にあいさつをする、定期的に待合室に行く、患者様の状態を前もって理解しようということをしました。
森安)これまで「待たせるな」「間違えるな」といったことが看護師に要求されるのが一般的でしたが、看護師たちに変化は見られましたか。
細川)あいさつや声かけをすることで患者様の笑顔を直に感じたり、良い反応を頂いたりするが増えたことで、自分たちの仕事にやりがいを感じ始めたようです。また、「これはいいことだ」と一緒にしてれる医師も登場したり、自分たちの行為に共感してくれる受付などの仲間が現れたり、患者様からのお礼の意見書を頂き評価して頂いたこともこれまでは少なかったのでとても嬉しく感じ、日々の仕事のやりがいに繋がったようです。
森安)そういう患者様からのお礼の意見書などはみんなで共有しているのですか。
細川)はい、朝礼でも話ますし、各外来にペーパーにして必ず配布しています。余談ですが、私も外来の中で森安部長の「ひとこと」のようなものを新聞にして配布していました。私の考えや患者様からの評価を共有したいと考えたからです。私たち看護師は、看護師ならではの仕事を軸に働かないといけないなといつも思っています。患者様側に立って代弁する、そのためには患者様の事情や気持ちをより正確に理解することが大事だと考え、そのために必要なことはすぐにやろうと実行するようにしてきました。

できそうな人に、できそうな役割を担ってもらい、
メンバーにも成果を実感してもらいたい

kanri-160425-03森安)患者様にとっていいことはすぐしてあげたいという考え方をもって仕事をされているのはわかりましたが、管理をしていく上でメンバーを育てていくということになると自分だけができればいいというわけにはいかないから難しいですよね。
細川)師長になった1年目はまさにそうでした。自分ができる姿を見せて、それについてきてもらいたいと…。うまくいきませんでした。
森安)では、その反省からどういう風にするようになりましたか。
細川)師長は動くもんじゃない!(笑)。といえば言い過ぎですが、もっと主任など管理に関わるメンバーを信頼し、こちらからも提案し、主任たちからも提案を聞き、仕事を自分事にしてもらえるよう意識しました。そうすることで、主任たちが自ら進んで様々なアイデアを出してくれるようになり、自分は先に潜む課題に取り組めるようになりました。
森安)メンバーをやる気にさせるためにどんな工夫をしているのですか。
細川)どのやり方が正解か、それは今でもよくわかりません。ただ、役割を与える、そしてその役割に対して相手をよく見てできそうな人に任せるようにしています。苦手なことにチャレンジさせるより、得意なこと、できそうなことをする方が本人もやる気が出ますし、成果にも繋がるんじゃないかなと思っています。メンバーにも自分の成果を実感してもらいたいですからねえ。
森安)ということはメンバーをよく理解しないとできないですよね。
細川)そうなんです。私は面談をわりとマメにしてる方ではないかと思っています。定期的なものはもちろんのこと、気になった時、新しいことを始めようと思った時に、後回しにせず優先的に面談しています。そして、その都度、その人、その人の良いところを評価し、それを活かしてこんな役割を任されてほしいというような提案するようにしています。

若い看護師たちの成長機会を作っていきたい。
だから、どんどん発言してもらえる環境を作りたい。

森安)さて、これから南4階病棟師長として、また心新たに取り組んでいってもらいますが、当面、どんなビジョンに向かっていきますか。
細川)外来の時はベテラン看護師が多く、経験が豊富なメンバーで構成されていましたが、今回のメンバーは20~30代の、言わば動き盛りの看護師たちなので、業務を行うことは早いのですが、やはり経験値という観点からみるとどうしても課題は多いと思います。それは当然のことです、私自身もそうでした。課題が多いということは、成長機会も多くあるということです。伸ばしてあげる環境をどのように作っていくかということが大事だと考えています。
森安)聞くところによると、異動後すぐに職場環境をチェックしたということですけれど。
細川)チェックということではないですが(笑)。病棟における問題点にどんなものがあるのか、その中で優先的に実施していくべき課題は何か、どう実行していくのかといったことは、やはりすぐ取り掛からないといけないと思います。
森安)細川師長さんらしいですね、ここでも「すぐ」という言葉が出ましたが(笑)。
細川)はい(笑)。そういうことを考えると、ちょっとカンファレンスが少ないなと感じています。パートナー2人で問題解決していた現状でしたが、カンファレンスにより問題を共有し、何をどのように進めていくのかといったことをしっかりと話し合い、メンバー一人一人が発言しやすい環境にしていくことを意識していきたいと考えています。それが、看護師の成長機会にもなると思っています。
森安)今日はありがとうございました。とても期待しています。