緩和ケア認定看護師 

苦痛症状を緩和する『緩和ケア』

staff_expert2平成19年4月に『がん対策基本法』が施行され、がんの予防および早期発見の推進、がん医療の均てん化の促進が基本的施策に盛り込まれました。 その中で、がん患者の療養生活の質の維持向上、専門的な知識及び技能を有する医療従事者の育成も挙げられています。 療養生活の質の維持向上のために、苦痛症状を緩和する『緩和ケア』の専門的知識を習得することも重要です。

がんは慢性疾患としての側面を持つようになりました

『緩和ケア』というと少し前までは、終末期の患者に提供されるケアというイメージがありました。実際に、今でもそのような捉え方をしている医療従事者も少なくありません。 しかし、医療の進歩によってがんの早期発見・早期治療も可能になった現在は、がんサバイバーと呼ばれる、がん治療を行いながら社会生活を営んでいる人が多くなりました。 がんは慢性疾患としての側面を持つようになりました。とはいえ、がんと聞くとまだまだネガティブなイメージがあるのも事実です。 がんと告知された瞬間には大きなショックを受けます。その後の闘病生活の中では、手術や抗がん剤治療・放射線治療の選択、治療に伴う苦痛症状の出現や経済的な負担、といった多くの問題と遭遇します。 患者や家族は身体的な苦痛だけでなく、精神的にも社会的にも大きな苦痛を経験することになります。その負担を軽減し、日常生活が維持できるように『緩和ケア』は疾患の早期から必要とされるものであり、治療と並行して行われることが重要です。

よりよい療養生活が送れるようにサポートすることが緩和ケア

いろいろな悩みを抱えながら闘病生活を送る患者や、患者を支える家族の苦痛が少しでも緩和され、よりよい療養生活(病院でも自宅でも)を送れるようにサポートすることが緩和ケアの理念です。